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タコグラフ(運行記録計)って
ドライバ―を職業としている方々は、当然タコグラフは知っていると思います。
一日の運行開始から終了までを記録します。
トラックへのタコグラフ(運行記録計)は、現時点(令和元年)で、車両総重量7t以上または、最大積載量4t以上の事業用トラックへの装着義務があります。
アナタコとデジタコ
運行記録計にはアナログの物とデジタルのものがあります。
デジタルタコグラフ(通称デジタコ)とアナログタコグラフ(通称アナタコ)です。
これはアナログのタコグラフです。しかも相当古い。懐かしいです。スピードメーターのフタをパカッと開けて、
チャート紙(記録紙)を入れます。現在はカートリッジ式が主流です。
それでも記憶媒体は紙です。今時、古って感じですw
この丸い記録紙(チャート紙)をタコグラフにセットします。
これまた懐かしい。
現在、当社では、現在はデジタルタコグラフを使用しています。
これです。デジタルっぽいですか。もちろん、記録紙等は必要ありません。
全てボタン操作で、出庫時に運行開始ボタンを押して、運行開始。
帰庫時に運行終了ボタンを押すと、運転日報が自動で事務所のプリンターからプリントアウトされます。
ということは、ドライバーが運転日報を手書きで書かなくでいいし、チャート紙への作業内容の記入も必要ありません。
全てボタン操作で自動です。
当社がデジタコを採用したのは、ドライバーの就労時間の短縮の目的が第一です。
帰社してから退社までで日報作成(日報書き込み)は結構時間がかかります。
これが自動になるだけで、大分時間短縮になります。
デジタル? アナログ?
少し話が脱線しますが、そもそもデジタルとアナログの違いって何でしょうか?
言葉の意味としては、デジタルは「つながりがない」「間が空いている」、
アナログは「つながっている」「連続している」だそうです。
イメージとしては、
デジタル ⇒ パソコン、スマホ、データ、音楽CD、DVD等々。
アナログ ⇒ 手書きメモ、書籍(紙の)、レコード等々。
分かり易いのが、レコードとCDで、レコードはレコード盤に音を振動で刻みます。刻んだ音をレコード針で再生します。
音を刻む時、全ての音(きれいな音、雑音も、人に聞こえる音、聞こえない音域の音も)を刻み込みます。
CDはデジタルデータを記録します。その時、必要な音だけを記録します。
デジタルは余分なデータを省いて、必要なデータだけを記録します。
マニアの方が、レコード盤にこだわるのは、すべての音源を記録しているということからでしょう。
タコグラフもアナタコは記録紙に直接針でスピードと距離、時間を刻んでいきます。限られたデータだけ記録します。
デジタコは様々なセンサーを使って、色々なデータ(速度、エンジン回転数、走行距離、位置情報etc.)
デジタコ化でのドライバ―と運送会社のメリット、デメリット
デジタコを使うメリットは、
より多くの情報が記録できることが、安全運転指導につながり、事故が減る。
GPS、位置情報、スピード、エンジンの回転数、急発進、急加速等。
業務の効率化による就労時間短縮
日報出力の自動化、タコグラフの解析の自動化等。
管理者側からすると、各ドライバーの運転記録の解析が分かり易く、結果指導しやすい。
また、GPS位置情報により、現在地の把握等で、業務の効率化が進む。
ドライバ―側からすると、日報の作成、タコグラフの記入の面倒が無くなる。等のメリットがあります。
しかし、堅苦しく管理されている感じはあるでしょうか?
何故デジタコを装着しない?
日本の貨物自動車運送事業者の数は6万数千社です。その内運行記録をデジタコ化している会社は約半数です。
スマホが当たり前のご時世の昨今、3万社もの運送会社が運行記録計をデジタル化しないのは何故でしょうか?
デジタコを装着しない理由として考えられるのは。
① アナログタコグラフに比べて、値段が高い。
アナログタコグラフは新車購入時に標準装備されています。(価格は5~7万円)それと比較すると、
デジタルタコグラフは1台当たり20万円はします。
② ドライバ―から見た監視のストレス
運行管理者はより正確な情報が、得られます。車両の位置情報や運転状況、作業状況等。
また、昨今はドライブレコーダーと連動していますので、走行中の映像や運転中の室内の映像等が記録されます。
ドライバ―側からみれば、しっかり運行情報が記録され、管理されます。
③ 記録される情報が正確?
ドライバ―から見ると、以前のアナログタコグラフは『ごまかし』が出来ました。
どうやって『いたずら』したのかは、ここでは触れませんが、ある程度の経験のあるドライバ―であれば、
分かると思います。『ごまかし』がドライバ―と管理者側、または社会へどう影響するかは、
その当事者の考え方次第でしょう。
運行記録の取り扱い
事業用トラックの運行とドライバーの労働の情報を正確に記録するというのは、
会社とドライバ―個人が契約するにあたり、当然のことです。
正確な情報で計算するから双方納得するのだと思います。
令和元年、今現在『働き方改革』が、いたるところで叫ばれています。
一般的にはドライバーの労働環境改善はまだまだ道半ばですが、当社は労働環境の改善を進めています。
ドライバ―が納得できる労働環境とそれに対する対価(給与)を常に考えています。
そのことに関しても、デジタコは必要だと考えています。また、正確な運行記録を利用することによって、ドラバイバーの安全を確保できると思います。安全教育や事故時の対応などに有効ですね。
当社の考え方として
当社の考えは、業務上に関わる全ての事柄で、本当のこと、真実を正面から受け止めていこうと思っています。
例えば、一般の方から当社の社員に対して、クレームや苦情が来たとします。または、搬入現場からクレームが来たとします。
私はまず、社員へ指示するのは、そのクレーム、苦情に関しての真実、事実です。正確な報告です。
今までの経験からして多分に、伝達される情報には私情や私感、感情が入ります。聞いたままではなくて、第三者から見たような客観的な状況報告を求めます。
その客観的な情報から、分析していきます。そうしないと、巷に大量発生しているクレーマーからドライバ―を守れないと思うからです。
ドライバ―を信頼しようとする気持ちが大切ですし、信頼してこそ、信頼してもらえる。
相互間の信頼関係が出来上がると思います。
ただし、客観的情報から、ハッキリと結論を出して、対応します。